映画『シン・ゴジラ』が凄い。TWO THUMBS UP。
なんの予備知識も入れず唐突に観たから、その感激もひとしお。予感通りただの怪獣映画じゃなかった。広島、長崎、福島、観ていて様々な記憶が蘇る。脚本を手がけたのは御存知『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野秀明さん。元々ゴジラは人間の作り出した核によって出現したモンスターとして社会的な意味を持つアイコンだ。それを現代に置き換え、3.11のメルトダウンを経験した日本という状況を踏まえた上での、ゴジラを巡る新しいドラマが描かれている。
ゴジラ自体の造形も生物的な根拠が見て取れて良い。深海サメのようなエラ、マグマが固まったような皮膚の質感は思わず見入ってしまう不気味さで、放射能火炎の出方も戦慄のかっこよさ。CGを駆使した特撮技術にもリアリティがあって、シーンごとの情報量が凄まじい。大田区や目黒区など具体的な地名が入った街が破壊されていく様には、実際にそこに住んでいる友人たちの顔が浮かび、在来線を使った攻撃には初代ゴジラの絵がよぎった。俳優陣も豪華で実力派ばかり。大杉蓮さんが総理大臣で柄本明さんが内閣官房長官で、古田新太さんが警察庁長官(そんな国があったらちょっと見てみたい気も)。そんななかに、片桐はいりさんや、モロ師岡さんやKREVA(気づかなかった)まで出演。光石研さんが出てたのも嬉しかった。何しろ自衛隊関係の配役が秀逸。
そして、個人的に萌えたのは音楽。かの有名な伊福部昭作曲の「ゴジラ」や「怪獣大戦争マーチ」など往年のゴジラ楽曲がオリジナルのままに使われ、なんとそんななかに関係ないはずの『新世紀エヴァンゲリオン』のBGMも絡んでくるサービスぶり。それにまた良い具合に煽られてノリノリで、唯一気になった米国大統領特使役のフライトジャケットのこともすぐさま忘れられた。
どうせなら8月6日に公開して欲しかったけど、それも大人気ないんだろう。
ハリウッド版『GODZILLA』の製作スタッフに感想を聞いてみたい。
久々に映画らしいものが観れた良いお盆休み。もう一本くらい何か観よう。
HAPPY HOLIDAYS



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