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閉店、開花
Feb.26.2014.WED
「居酒屋の居は、居心地の居」、
太田和彦さん
の名言。 ほんとその通りだと思う。美食を求めてグルメを気取るのは、なんか気恥ずかしい。話題の逸品を食べに行くのを目的とした夜のパトロールからは、30代を境にどんどん疎遠になって、今はただ居心地が良い場所にある、居心地が良い店に行く。もちろん大前提として、美味しいというのは必須。でも、居心地というのは人それぞれのようで、なかなか自分好みの新店に出会うことは少ない。なので、昔からの馴染みの店というのはとても大切な存在。
先日、その大切な存在のひとつが閉店するという話しを聞いて、猛烈に落ち込んだ。下北沢にあるその店には20年以上通っていた。路地の奥にあるその店の赤提灯が見えると心は軽くなり、その夜は保証されたも同然。大好きな焼鳥屋さんだった。このホームページを一緒に作っているデザイナーのウッチーと行ったのが最初。それ以来ずっと通い続け、ウッチーとの関係もずっとそのまま。偶然にも清水さんも昔から知っていて、機会あれば通うこと30年近く。
店の広さやレイアウト、メニュー、そのすべてが絶妙。こういう店は本当にもう少ない。マスターを始めとした店の人達の距離感も素晴しい。良い意味で放っておいてくれて、店の人に構われるのが得意じゃない自分みたいな人にも居心地が良い。こういう店は、作ろうと思って作れるものじゃない。
これで最後だなと感傷的になりながら最後の訪問。無理を言って予約をねじ込んでもらった。また良い店の灯火がひとつ消える。最後に初めてちゃんとマスターと話しをした。今までの良い時間に感謝。月日は流れ、季節は変わる。寂しいさびしい
植物を見てると季節がよく分かる。冬が終わり、春が来たのだ。
フリーマーケットで買ったサクランボの木の枝を水に浸けて置いておいたら、ゆっくりと満開に。嘘か本当か自家受粉して実までなるとのこと。この2週間、一輪の花も無かったこの枝が動いていく様子を見ながら日々楽しんだ。
南アフリカの塊根も、ブラジルのブロメリアも、日本の春に咲く。
そして、もちろん日本の桜も。
スタイリスト本庄のREMIX撮影の為に、花宇さんが八分咲きで用意してくれた彼岸桜。その桜が届いたのが、あの豪雪の日。その偶然をこんな素敵な映像に仕上げた、本庄とカメラマン佐藤航嗣さん。瞬発力が凄い。
書籍化決定!
このコラムから初の書籍が誕生します。
ご期待ください。
ある格闘家の戦いの記録。
いまを残したいというただそれだけの、
でもとても切実な祈り。
日々の小さな幸せは、
実は奇跡の連続なのだと気づかせてくれる。
写真家・川内倫子
「蝶々の心臓」
3月13日宝島社より発売
定価1300円+税
「3回手術すれば生きられます」。娘が誕生した翌日、聞かされたのはそんな言葉でした———。
格闘家として身体を酷使してきた父が、心臓疾患を持つ娘との日々を綴った人気ブログ「パパはね。。」を書籍化。軽やかな文体の中に見え隠れする、生と死の脆さ、命のたくましさ、母娘の強さが、著者自身の撮影による瑞々しい写真とともに心を打ちます。
木村伊兵衛写真賞受賞写真家、川内倫子氏も絶賛。
青柳 徳郎 TOKURO AOYAGI
NEPENTHES クリエイティブ・ディレクター。プレス責任者。東京都出身。97年渡米。NEPENTHES AMERICA INC. に勤務。2007年NYから帰国と同時にプレス・クリエイティブオフィス NEPENTHES SSP.を構える。
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