斑とかいて、普通は「はん」と読んだり「まだら」と読んだりするけど、植物業界ではこれを「ふ」と読む。よく見かける植木の葉っぱで緑のベースに黄色が混ざっていたり、白いストライプがはいってたりするあれを、斑入り(ふいり)の植物と発する。
葉っぱの周りに斑があれば覆輪斑、先端にでるものは爪斑、夜空の星のように斑が入るものは散り斑、他にも虎斑や中斑など、色々な呼び名がある。英語だとVARIEGATED。そのほとんどは自然に発生したもので、日本にもヨーロッパにも古くから斑入りの植物を珍重し、愛でる文化が存在している。日本では古典植物とか伝統園芸と言われる分野で今もその伝統が生き続けていて、18世紀には現在価格で1億以上の値で取引されたものもあったとか。
そういった斑入りの植物は、もともと葉の一部に葉緑素がないことから白や黄色の柄が発生している訳で、その美しさとは裏腹に普通の真緑の葉より成長が鈍い。自然界に普通に存在していたら、生存競争に負けてその遺伝子は消えてしまうものと一般的には考えられている。裏を返せば、その美しさのお陰で、人の助けを借りながらどうにか生きぬく事ができてるということか。
ツバキ黄覆輪

SANSEVIERIA LAV.23251 VARIEGATED

AGAVE VICTORIAE REGINAE VARIEGATED

YUCCA ALOIFOLIA VARIEGATED

斑入りの植物で最初に衝撃を受けたのが、ハワイの王族だけが食べる事を許されていたという斑入りのバナナ。爽やかな実と葉。かっこよすぎる。欲しい。
MUSA AEAE

植物は動物と違って動く事が出来ない。意思表示もできないから、お腹が減ってるか、寒いか暑いか、飼い主がいつも気にかけてあげないといけない。最初は大変でも、日々気にかけることで愛着が湧いて植物と接してる時がだんだんと癒しの時間に変わっていくのに気付くはず。
もうすぐ春、植物を始めるには一番の季節です。